2019年 パキスタン旋風 — 世界が震えた一年
2019年、パキスタンの鉄拳プレイヤーが世界に衝撃を与えた。アルスラン・アッシュの台頭、大阪での招致エキシビション、EVO二冠までを時系列で辿る特集。
関連作品: 鉄拳7
2019年は、鉄拳の競技史において「パキスタン勢の世界的台頭が始まった年」として記憶される。本ページは、その一年の出来事・対戦結果・コミュニティの関心の高まりを時系列で整理した特集である。今後も資料が確認でき次第、内容を追記していく。
注記: 本ページの数値・対戦結果は、主に動画解説(鉄拳トーク)とコミュニティ資料をもとに再構成した暫定版で、一次資料による裏取りを進めている段階の項目を含む(要確認)。実名・年齢など本人公表が確認できない個人情報は記載しない方針とする。
2018年まで — 関心度ほぼゼロ
2018年末の時点で、パキスタンの鉄拳シーンに注目する者はほとんどいなかった。動画解説では当時の「関心度」を 0.1% 程度と表現している。
唯一の予兆は、Knee がドバイやサウジアラビア遠征で アルスラン・アッシュ と対戦して敗れていたことだったが、周囲はこれを「ラッキーパンチ」程度に受け止めていた。
EVO Japan 2019(2019年2月・福岡) — 初来日と優勝
パキスタンから アルスラン・アッシュ が初来日。だが道中は波乱続きだった。パキスタン国籍ゆえのビザ取得の難しさ、空港での搭乗トラブルが重なり、乗り継ぎの不調で福岡ではなく東京に到着してしまうなど、1日以上の遅れを伴う大きなトラブルが発生したと伝えられる。
それでもアッシュはベスト8に勝ち残り、ルーザーズ(敗者復活)に落ちながらも勝ち上がって EVO Japan 2019 鉄拳7 部門で優勝を果たす。優勝後、コミュニティの関心は一気に跳ね上がった。
インタビューでアッシュが語った「パキスタンには自分と同等か、それ以上に強い選手がまだ5〜6人いる」という言葉は、世界に衝撃を与えた。
黒黒主催 招致エキシビション(2019年5月・大阪)
黒黒氏がクラウドファンディングを実施し、アッシュを日本に招いて日本の強豪と 10先(10本先取) のエキシビションマッチを行う企画を大阪で開催した。世界が注目し、配信の最高同時視聴者数は5,500人を記録した一戦もあった。
全23カード中、アッシュが21カードで勝利したと伝えられる。確認できた範囲の対戦結果は以下のとおり(動画解説由来・要確認)。
来日1日目
| 対戦 | スコア | 勝者 |
|---|---|---|
| vs レジェンダー | 10–0 | アッシュ(完全試合) |
| vs そらじ | 10–2 | アッシュ |
| vs ぶっぽ | 10–7 | アッシュ |
| vs じょな | 10–0 | アッシュ(完全試合) |
| vs Knee(1回目) | 8–10 | Knee |
| vs ジョー | 10–2 | アッシュ |
| vs ブリブリ丸 | 10–1 | アッシュ |
| vs 破壊王 | 10–9 | アッシュ |
| vs YUKI | 10–5 | アッシュ |
| vs Knee(2回目) | 10–3 | アッシュ |
来日2日目
| 対戦 | スコア | 勝者 |
|---|---|---|
| vs ピコハンこうき | 10–5 | アッシュ |
| vs 太平洋 | 10–5 | アッシュ |
| vs 加齢 | 10–4 | アッシュ |
| vs 砂虎 | 10–1 | アッシュ |
| vs 用心ボーイ(ギガース使い) | 10–8 | アッシュ |
| vs Knee(3回目) | 8–10 | Knee |
来日2日目の用心ボーイ戦では、パキスタンにいない大型キャラ(ギガース)に苦戦するも、試合中に対応して勝利したという。
来日3日目
| 対戦 | スコア | 勝者 |
|---|---|---|
| vs おしゃれ骨折(MATSUBA) | 10–6 | アッシュ |
| vs おかゆ | 10–3 | アッシュ |
| vs だっちゃ | 10–4 | アッシュ |
| vs シャープ | 10–2 | アッシュ |
| vs たぬかな | 10–3 | アッシュ |
| vs チクリン | 10–6 | アッシュ |
※ Knee 戦の各回スコアは資料間で表記差があり、要確認。対戦相手の個別プレイヤーページは順次整備予定。
タイ遠征(2019年6月・TWT予選)
決勝で再び Knee と対戦し、アッシュが勝利して優勝。
パキスタン遠征(2019年7月)
黒黒氏と チクリン がパキスタン現地へ赴き、現地プレイヤーと対戦する企画が行われた。現地のレベルは想像以上で、チクリンは最初に対戦したパキスタンの選手(Adeel S.)との10先を 9–10 で落とし、その後の現地大会では予選で敗退したと伝えられる。
同大会で優勝したのは、当時の若手 アティフ(アティフ・バット)だった。
2019年7月遠征の補足
2019年7月の黒黒・チクリン パキスタン遠征は、アルスラン・アッシュ が語った「パキスタンには自分級の強豪が複数いる」という発言を現地で検証する企画だった。黒黒とチクリンは2019年7月23日に日本を出発し、カラチ入国後、ラホールの Portal Esports を拠点に7月24日から27日まで対戦を行った。
チクリンのFT10(10先)シリーズは計19本で、通算成績は12勝7敗だった。全結果は以下のとおり。
| 日付 | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2019-07-24 | Adeel S. | 9-10 | 敗北 |
| 2019-07-24 | Heera Malik | 4-10 | 敗北 |
| 2019-07-24 | Irtaza Shaukat | 10-1 | 勝利 |
| 2019-07-24 | Imran Khan | 10-9 | 勝利 |
| 2019-07-24 | Farzeen | 3-10 | 敗北 |
| 2019-07-24 | Arslan Ash | 3-10 | 敗北 |
| 2019-07-25 | Mashood Butt | 10-7 | 勝利 |
| 2019-07-25 | Atif Butt | 4-10 | 敗北 |
| 2019-07-25 | Qasim Meer | 10-7 | 勝利 |
| 2019-07-25 | Nouman Ch. | 10-6 | 勝利 |
| 2019-07-25 | Asim Awais Liaqat | 10-7 | 勝利 |
| 2019-07-26 | Humraz | 4-10 | 敗北 |
| 2019-07-26 | Saleh Habib | 10-4 | 勝利 |
| 2019-07-27 | Hafiz Ali | 10-6 | 勝利 |
| 2019-07-27 | Awais Honey | 0-10 | 敗北 |
| 2019-07-27 | Shani | 10-2 | 勝利 |
| 2019-07-27 | Abid Rajpoot | 10-4 | 勝利 |
| 2019-07-27 | Bilal Jutt | 10-2 | 勝利 |
| 2019-07-27 | Hafiz Adeel | 10-6 | 勝利 |
7月27日には、事前告知名「Pakistan 16」から実施名を変えた招待大会 KUROKUROCUP in Pakistan が Portal Esports で開催された。大会は19名招待、Groups(4→2)からDouble Eliminationへ進む形式で、チクリンはGroup Dを2位通過後、7位タイ。上位結果は優勝 Farzeen、準優勝 Imran Khan、3位 Nouman Ch.、4位 Awais Honeyだった。Arslan AshはEVO出場に向けて出発済みのため、本戦には不参加とされる。
この遠征は、日本側にパキスタン勢の層の厚さを可視化した出来事だった。後年のチクリン本人インタビューでも、パキスタンでの経験がTWT 2019優勝や豪鬼対策につながった体験として語られている。
EVO 2019(2019年8月・ラスベガス)
ビザ取得が最難関とされるアメリカへの入国を果たし、決勝でまたしても Knee を破って EVO 2019 鉄拳7 部門で優勝。同年に「EVO Japan」と本家「EVO」の二冠を達成するという前人未到の偉業を成し遂げた。
ROXnROLL/東京マスターズ(2019年秋)
- マレーシア大会(ROXnROLL): アワイス・ハニーがスポンサーを獲得して出場し、優勝。
- 東京マスターズ: パキスタンからアワイス・ハニーと アティフ が来日。結果は 1位 アティフ・2位 アワイス・ハニー とパキスタン勢のワンツーフィニッシュ。2位のアワイス・ハニーが大会中に唯一負けた相手は、同じパキスタンのアティフだけだった。
この一年でパキスタンは「鉄拳の新たな強豪国」として世界地図に書き加えられた。本ページはその起点を記録するものであり、資料が増えるたびに更新していく。
出典
- 鉄拳トーク1「2019年パキスタン旋風まとめ」(動画解説) ・research
- fgamers 黒黒 ページ ・community
